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遺留分とは?基本ルールと請求方法をわかりやすく解説

「遺言で全財産を特定のひとに渡す」と書かれていても、実はすべてがその通りになるとは限りません。
相続人の一部には、法律で保障された最低限の取り分があります。
今回は、遺留分とは何か、誰にどれくらいの権利があるのかなど基本的な内容をわかりやすく解説します。

遺留分とは

遺留分とは、特定の相続人(兄弟姉妹及びその代襲者を除く相続人)に法律で保障されている「最低限の相続分」です。
たとえ遺言で「全財産を他人に渡す」と書かれていても、遺留分がある相続人は、侵害された自分の取り分である遺留分を請求できます。
このように、遺留分とは、被相続人の家族の生活を守るために設けられた制度といえます。

 遺留分が認められる相続人

遺留分は、相続人すべてに認められるわけではありません。
遺留分を持つのは、以下のひとたちです。

  • 配偶者
  • 子ども(または代襲相続人)
  • 父母(子どもがいない場合)

兄弟姉妹は、相続人になること自体はできますが、遺留分が認められていません。
たとえば被相続人に子どもと父母がおらず、兄弟姉妹が相続人になった場合でも、遺言の内容に従うしかないため注意が必要です。

遺留分の割合

遺留分は、遺産全体に対する一定の割合で決まります。
相続人が「配偶者や子ども」の場合は、全体の1/2が遺留分の対象になります。
相続人が「父母のみ」の場合は、全体の1/3が遺留分の対象になります。
相続人が1人であれば単純ですが、複数人が組み合わさると複雑になります。

【具体例:配偶者1人と子ども1人(2人)が相続人になる場合】
法定相続分は「配偶者:1/2」「子ども:1/2」です。

遺留分は、それぞれの法定相続分の1/2となり、最終的には「配偶者:1/4(=遺留分1/2×法定相続分1/2)」「子ども:1/4(=遺留分1/2×法定相続分1/2)」となります。

遺留分の請求方法

もし遺言などによって、遺留分が侵害されていると感じた場合は、「遺留分侵害額請求」という手続きができます(民法第1046条第1項)。
以前の「遺留分減殺請求」に代わって、2019年の民法改正で導入された制度です。
請求できる相手は、遺産をもらったひとです。
「相続があったことと、侵害されたことを知った日から1年以内」または「相続開始から10年以内」のいずれか早い方の期限までに請求しなければなりません。
仮に、遺留分減殺額請求を行わなかった場合は、遺産をもらった人がそのまま全額受け取る形になります。
請求は、内容証明郵便で行うのが一般的ですが、話し合いがまとまらなければ調停や訴訟に発展する可能性もあります。

まとめ

遺言によって他者に遺産が相続された場合や生前に贈与された場合であったとしても、その相続や贈与が自己の遺留分を侵害している場合は、請求して取り戻せる可能性があります。
ただし、請求を行うには期限があるため、気が付いた場合はできるだけ早く行動に移すのが大切です。
トラブルを避けるためにも、わからないことがあれば弁護士などの専門家に相談するのがおすすめです。